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2014年02月17日 20:33

「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7

「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7



【突撃!勝手にいわきガイド】Vol.7は、「かもめの視線」でお馴染みの、いわき市をモーターパラグライダーで飛んで撮影をされている酒井英治さんです!!

はじめに、わたくし管理人Kからお詫びしなければなりません。酒井さんへのインタビューは昨年秋にさせて頂いていましたのに、わたくし個人の都合によりご紹介が遅くなってしまいました。酒井さんには快く取材をお受け頂いていましたのに、ご紹介が遅くなりましたこと心よりお詫び申し上げます。

私が酒井さんの映像に出会ったのは、東日本大震災後、その年2011年の冬でした。いわき市に住む私の友人が、Facebookで酒井さんが撮影された映像をシェアしていたのがきっかけです。

いわき市外在住の私ですが、酒井さんが空撮されたいわきの海の碧さに本当に驚きました。それとともに自分を恥じました。文頭から私事で恐縮ですが、私は海が好きで海外のリゾートにもよく行っていました。碧い海を求めていたからです。それでも国内では沖縄の離島に行かなければないと思い込んでいました。
それが東京からこんなに近い、福島県いわき市にこんなにも碧い海があったことを知らなかったからです。

それを教えてくださったのが酒井さんです。

「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7
津波で亡くなられた鈴木姫花ちゃんの描いた塩屋埼灯台のハンカチとともに



■湯の岳パノラマラインを走っていた

─ 酒井さんが空撮をはじめたきっかけは何だったのですか?

元々はオートバイに乗ってました。エンジンものが好きなんですよ(笑) バイクが好きな仲間とチームを組んで湯の岳のパノラマラインを走ったりしていたんです。自分にとっては湯の岳のパノラマラインは青春そのものですね。

でも峠は危ないということもあり、直ぐにサーキットに場所を変えて本気でロードレース活動をしていました。3年程頑張ったんですが、しかしプロの厳しい世界を近くで感じて自分にはプロまでなれないと夢半ばで諦めていたんです。

それから数年後に見つけたのが、パノラマラインの中腹にパラグライダーのスクールがオープンする準備をしているところでした。

スクールの社長に話を聞いていたら、パラグライダーにはモーターつきのパラグライダーもあると聞いて、「エンジンが好きだからやってみたい!」って思ったんです。空をとぶことは小さいころから憧れていましたしね。

そのスクールの一期生として入校したわけですが、その当時はエンジンがついていないパラグライダーからはじめて基本操作をマスターしてからじゃないとモーターパラグライダーに行けなかったのですが、2ヶ月程でモーターパラグライダーでソロフライトできました。




■子どもの頃からカメラには慣れ親しんでいた

─モーターパラグライダーのきっかけはわかったのですが、写真はいつから始めていたのですか?


父親がカメラマニアだったんです。父は自宅の押入れを暗室にして現像したりしていたりして、一眼レフのカメラや8ミリビデオとかが自分の身近にありました。

そんな状況だったので、物心ついたころから写真とかビデオを撮るということは特別な行為ではなかったんです。バイクレースをやっていた頃も未だ今ほど一般的ではなかった家庭用ビデオカメラをバイクのタンクの上にガムテープで貼り付けてオンボードカメラ録画しながら参加したりしていました。

走りながら撮ることが当たり前だったんですよね。だから空を飛んだので、今度は空から撮るというのは自然な流れでした。



「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7



■新舞子ビーチで出会ったいわき

─湯の岳でのそのスクールとの出会いが酒井さんの運命を変えたんですね。初めて海岸線を飛んだときはどんな感じでしたか?

新舞子ビーチがモーターパラグライダーで一番最初に飛んだ場所です。
そのときに海岸線から見たいわきの海が想像を絶してきれいだったんです。海っぱたはバイクで何度も通って地上からは見ていたけれど、上空からの景色は知らなかったんです。衝撃的でした。

誰もみていない景色を観られることも楽しかったですね。

初めて新舞子ビーチを飛んだときにスイッチが入ったんです(笑)
「自分はこんないいところに住んでたんだ!」最初にみたときに誇らしささえ感じました。そして、「誰もこの景色を知らないのはもったいない!」と思いました。
実際周りの友だちは「いわきって何もなくてつまんねーなー遊ぶとこないし」と口を揃えたように言ってたので。

自分たちはこんなところに住めていること自体が誇らしいこと。みんなに教えたい!って思い、撮った写真をホームページに公開するようになりました。

ホームページを作ったら、予想以上にいろんな人が観てくれてビックリしましたね。そしてちょうどその頃に、第一回いわきWEBアワードというコンテストがあり「参加してみないか?」と連絡をいただいたんです。

そこでで大賞はとれなかったけど、個人部門賞をとったんですよ。
自分は褒められるとのびるタイプで(笑)翌年もあったので、一回目よりも写真を増やし、地域別に分けたりして、ホームページをグレードアップさせ参加しました。

そうしたら、最優秀賞を受賞したんです。
それをきっかけに、みんなが注目しはじめてくれました。同時に自分でも「やはり皆、見たいものなのかな」という想いがわき、いつかは、ちゃんとした作品としてDVDにしたいと思い始めたんです。
それが2004年のことでした。


「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7
車に積まれてた酒井さんのエンジン



■BarQUEENの加藤さん、そしてアベマンセイさんとの出会い

─いわきWEBアワードでの最優秀賞を受賞をきっかけにDVD作成への想いが募られたのですね。すぐにDVDは出来たのですか?

DVDにするためには映像だけでは成り立たないですよね。音楽も必要。初期の「かもめの視線」では勝手に人の曲を使ってYouTubeにアップしたりしていたんです(笑)

いわきでは老舗のライブハウスBarQUEENのマスター加藤さんから突然、「受賞おめでとう!最高に感動したよ!」とメールをもらったんです。それまでは何も繋がりもなかったのにメールを頂いたんで驚きました。

音楽は中学の頃から好きだったので、BarQUEENは知っていました。でもすごい有名なところなので、敷居が高い感じがして行っていなかったんですよね。だから、加藤さんからメールをもらって喜んで行っちゃいました(笑)

加藤さんに会ったらすごく優しい方で、BarQUEENもとても居心地がいい場所。それから頻繁にBarQUEENに行くようになり、音楽熱が再燃してその頃からアコースティックギターを再開しました。

2008年にBarQUEENでギタリストの吉川忠英さんのライブがあったんです。福山雅治さんのコンサートマスターとかされている日本を代表する有名なギタリストですね。そこにいわきに戻ってきていたアベマンセイくんも見に来ていて、マスターの加藤さんがアベマンセイくんを紹介してくれました。

その日、吉川忠英さんに観て頂こうと「かもめの視線」の映像を持って行っていたのですが、それをアベマンセイくんも一緒に観てくれて、感動してもらえたんです。

マンセイくんといろいろ話をしていたら、自分たちは名刺代わりになるものがない「自分はこれをやってます」というものがない、ふたりで名刺代わりになるものを作ろう!という話になったんです。

「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7
偶然見かけたフライト中の酒井さん2013.3.16撮影


■「かもめの視線1」の完成


自分の空撮とアベマンセイくんが作ったオリジナル曲。そして出来上がったのが「かもめの視線1」2010年の発売です。

それでも大規模な販売とかまで考えていなくて、本当に名刺代わりに近くの人に配る程度の気持ちで100枚程しか作りませんでした。そうしましたら加藤さんが「BarQUEENで売ってみたら?」と声をかけてくれて、BarQUEENのオープンライブのときに、会場で販売させてもらったのです。

オープンライブで買ってくれた中のひとりがFMいわきでパーソナリティをしているダイスケくんでした。FMいわきの局内にもっていってくれて、そこで皆さんが、いわきの海の美しさに驚いたそうです。それをきっかけに、FMいわきでも「かもめの視線1」を売ってくれるようになったんです。

それと同時期に自分はヤマニ書房や鹿島ブックセンターにとびこみ営業してみたんです。内容を見せたら感動してもらえて、委託販売という形でしたが置いてもらえるようになりました。




■かもめの視線2の発売日直前にきた東日本大震災

─BarQUEEN、FMいわき、そして市内の書店などから「かもめの視線1」は広まっていったのですね。

「みんな観たかったのかぁ」って、調子にのって「2を作ろう!」という話になりました(笑)

発売日を2011年の3月末にさだめ、2010年の秋ごろから制作開始。順調に進み、自分のホームページにも3月1日になって、「かもめの視線2を3月末にリリースします」と告知を掲載しました。

3月12日にプレスが終わり、大阪から完成したDVDが13日に届く予定でした。
でも、ご存知のとおりそこで3月11日にあの東日本大震災がおこったんです。

時間が止まりました。

マンセイくんとも「自分たちの作品は海岸線に特化したもの。その海岸線が津波の大きな被害を受けた。これは暫く世の中に出せない。幻になっちゃうけどしょうがないね。1年、2年と時期をずらしてまた考えればいいね」と相談していたんです。

発売予定日だった3月の下旬が近づくにつれ、「予定通りに発売されるのですよね?」とか「かもめの視線1からのファンでした。2を楽しみにしています」と、電話とかメールをもらうようになったのです。

ふたりですごく悩み、相談をした結果、「賛否両論あって怒られるかもしれないけれど、出してみようか」という考えになったんです。

しかし、それまで「かもめの視線1」を置いてもらっていた「道の駅よつくら港」や「いわき・ら・ら・ミュウ」「蟹洗温泉」などは、みんな津波の被害で店舗もありませんでしたので、震災の影響の少ない残りの店に置いてもらいました。



■自分の中にあった罪悪感

─震災後、撮影はいつから開始されたのですか?

うちには小さい子どもがいたので、実は原発事故のあと新潟に避難をしていました。
いわきに残ってる仲間はボランティアとかやっていて人のためになることをしているのに・・・何もしていない自分はさいなまれるところもあり、また本業の車の修理の依頼もあったことなどもあって、3月29日に家族をおいて自分だけ戻ってきました。

自分の中でいわきを捨てて逃げてきたみたいな罪悪感があったんですよね。

そして4月1日に撮影を再開しました。
そうしましたら過去に付き合いがあったマスコミが連絡をしてきたんです。「震災前と震災後の映像をもっているでしょ?」と。

震災後の映像はみんな持っているけれど、震災前のものと比較できるものは誰ももっていなかったんですよね。
正直なところ、すごく複雑な心境でしたけど「自分の映像でいわきのことを多くの人に知ってもらえるならば」と思い提供したんです。



「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7
美空ひばりさんの像と酒井さん 2013.3.16撮影


■これからの「かもめの視線」

─わたしも酒井さんの映像がなければ、いわきの海の碧さを知らなかった人間のひとりです。酒井さんの映像があったからこそ、いわきの美しさを知った人はたくさんいるはずです。

自分で勘違いしちゃいけないなって思ってるんです。
自分は撮っているだけ。いわきの海は自分たちが知らなかっただけで、ずっと前から蒼かった。

だからこそ伝えなければいけないと、大げさな言い方をすると使命感みたいなものを感じています。

そして、今回の流れが不思議だなと思ったのは、20年飛んでいるのに、震災直前に「かもめの視線2」を作ったというのは、結果的に不思議な縁。
これをつくるために、パラグライダーをやったのかなって思ったりもしました。

「みんなに観ていただけて、それで役にたっているのであれば」
自分がやるべきことは、ここなのかなと思うようになりました。そして、やれることはやっていこうと思っているんです。


─酒井さんがいなかったら震災前後の真実が届かなかったと思うんです。貴重なお仕事だと私は思います。
これからも、飛び続け、撮り続けますよね?



原発はまだ安定していないですよね。いつまた何があるのかわからない。
現時点でも危機感をもっているんです。
「今ちゃんと撮っておかないと二度と撮れないことになるかもしれない。」って。

また自分の年齢になると、友人で脳梗塞や心筋梗塞で亡くなる人もでてきています。それを考えたら、「やれることは今やっておかないと」と、身につまされています。
いつどうなるかわからないけど、それまでは出来ることはこまめにやっていこうって思っているんです。

─酒井さん、お体に気をつけてこれからも「いわき」を見せてください。楽しみにしています。お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました☆




そしてこのインタビューのあと「かもめの視線3」が2013年11月8日全国発売となっています。
「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7

”美しさも 被害も 現状も ありのままのいわきを伝えたい”という言葉とともに伝えられているいわきの映像。ぜひ多くの方にご覧頂きたいと私も思っています。
YouTubeで一部流れていますので、ご覧ください。
海岸沿いを走る皆さんが、酒井さんに手をふっています。
http://youtu.be/yR5_JJk7PeM

■かもめの視線3~あの日から2年半の軌跡[DVD]
Amazon
http://www.amazon.co.jp/dp/B00EIRM6LW





(後記)
酒井さんとお話をしているとき、私はあることを思い出しました。
私と同じく、市外からいわきを応援している友人と、浜風商店街に置いていただく七夕飾りの相談をしていたときのことです。
その友人が「つらい想いをしている人に『上を向いて』って言っても、よけいにつらくなるだけ。だから自然と上を向いてクスって笑顔になれるような七夕飾りを作りたい」と言っていました。

酒井さんが飛んでいるところを見かけると、そのとき海岸沿いにいる人たちは皆、自然と上を向いて、そして酒井さんに手をふっていますよね。
私はその光景を見かけて何度も胸が熱くなっていました。
酒井さんが撮影された作品は多くの人にとって大切なものですが、いまや酒井さんご自身がいわきの人にとって大切な存在になっているのではないかと感じています。


「かもめの視線」酒井英治さんに突撃!インタビューVol.7


■酒井さんの作品Amazon一覧
http://amzn.to/1eEjcqI
(Amazonのシステム上、一部違う作品も表示されています)

■酒井さんのYouTube一覧 43本
http://www.youtube.com/user/sky410com?feature=watch

■スカイフォトサービス
http://sky410.com/

■酒井さんFacebook
https://www.facebook.com/sky410eiji

■酒井さんTwitter
https://twitter.com/sky410



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