
今年の2月、いわきアリオスを会場に「史上初!生と死の祭典」として開催された「いごくフェス(igoku Fes)」。
【過去記事】
「死の祭典」で入棺体験したらむしろとっても生きた心地になったの巻/igoku Fes 2018
大好評につき、早くも第2回が開催されました!!

しかも今回はバージョンアップして前夜祭と本公演の2DAYS開催!!行ってきましたよー☆

前夜祭(9/7)の会場は、いわきアリオス前の平中央公園。

以前はここで「パークフェス」というイベントがほぼ月イチで催されていましたよね。ステキなイベントでしたが昨年で終わってしまい、さびしい思いをしていた方もいたのでは。
今回のいごくフェスのテーマは「みんなで行こう極楽浄土」。
ちょっと何を言っているのかわかりません(笑)
が、参加しているうちにだんだん納得してきました。





「極楽浄土」でPが連想するのは、いわきの国宝・白水阿弥陀堂の浄土庭園なのですが、この夜は公園空間が手作り感溢れる蓮の花などでステキにコーディネートされていて、平中央公園に現代の浄土庭園が出現していました!




どこからともなく老若男女が集まってきて、食べて飲んで、歌い踊って、皆さんめっちゃいい顔をしています。ライブプログラムが進み、公園中央で平泉崎青年会のじゃんがら念仏踊りがはじまると、踊り手の輪がどんどん広がっていきます。すごいー☆

きっと昔のいわきのひと達も、音楽や催しの違いはあれど、老いも若きもあの世もこの世も関係なしにこんなふうにつながっていたんだろうなぁ。そんなことを感じました。
いやーステキでした!


で、このいごくフェスってなんでしたっけ?地域包括ケアの祭典?いや生と死の祭典?
ちなみに、どうして「生と死の祭典」なのか。どうして「極楽浄土」なのかということなんですけど、いごくのFacebookページを拝見したら、こんなことが書かれていました。
(以下、「いごく」Facebookページからの引用)
今回のテーマは「極楽浄土」。ほんとうには見えない死後の世界を「あるものとして」想像してみる。すると、現実の世界や社会が違って見えたり、誰かへのコミュニケーションが変わったりすることがあります。人間は、その想像力によって「四苦(※生・老・病・死のこと)」を和らげてきたのだと思います。
そして医学、福祉。医学への関心を持ち続け、常に最新の技術やノウハウを更新し、目の前の苦しみを取り除き、障害や生きにくさを減じる。想像力と同時に、医療や福祉の「知の蓄積」を通じて、人間は「四苦」を和らげてきました。
表現や空想、想像することを生業とする人たちと、現実と学問に根ざし、人を支え続けている医療・福祉の人たちを、ゆるやかに交錯させる。その交錯した場所に多くの人たちを誘い、なにかを感じてもらう。それが今回のいごくフェスの狙いのひとつでした。
情緒か科学か、ではない。想像か現実か、でもない。その境界をゆるやかに解きほぐし、対立しているかに見えるその両方が、実は地続きにあるものだということを、いごくフェスを通じてちょっとでも伝えられればと思っていましたが、いかがでしたでしょうか。
(引用終わり)
うーん。難しいんですねぇ。
でも、東日本大震災と原発事故から7年半が経ちましたけど、いろんな生き方や立場や考え方の違いがあるだろう人たちが、この極楽浄土を模した空間(フェス)のなかで「生と死」という誰もが経験することなんだけどふだんあまり考えたくないようなことを通じて、それはそれは楽しく集っているのを見ていると、なんとなくわかるような気がしました。
いろいろあるけど、まあいいや、って。こういうのが大事だよね、って。
そういった意味ではものすごくゆるい、いままで経験したことのないイベントだったと思います。あとからじわじわ余韻が効いてくる感じ。
Pの心の中にあった、何か固いものというか、からみついていたものが、少しほぐれたような気もしました。
さて、翌日(9/8)はアリオスでの本公演!!
ダイジェストでいきます!(詳しくは「いごく」Facebookページをご覧ください)
○VR認知症体験会
今回の目玉のひとつでしょう。名前のとおり、認知症のひとの経験を忠実に再現したVRを体験できるイベントです。
事前申し込みのためPは体験できなかったのですが、定員100名が満員と大人気。体験した方の感想も大好評だったようです。今度機会があればぜひ体験してみたいー!
○イベントブース
カンティーネのイベントブースは今回も盛りだくさん!
・発達障害の判定体験コーナー(障害ってなんだろう?ごちゃまぜ体験教室/NPO法人ソーシャルデザインワークス)
・試食アンケ―ト(小名浜「あおいち」プロジェクトのポーポー焼き試食&アンケート)
・世界のSONYのタブレット身体機能測定端末の体験コーナー
(ソニーネットワークコミュニケーションズ(株))
・薬剤師会のブースではもの忘れ相談プログラムが。
・栄養士の団体からはいろいろもらっちゃったー。キウイ!(栄養ワンダー/福島県栄養士会いわき支部)
8月4日は栄養(エイヨー)の日!!
○入棺体験会
こちら、前回で話題となった入棺体験。
今回も多くの方が入棺して、記念撮影をしていました。本当、皆さん楽しそうに入棺してますねー。
今回のお棺は、マリン系や襖(ふすま)系!
○涅槃スタグラム!
前夜祭から気になっていた、このフォトフレーム。気軽に遺影が取れるという「涅槃(ねはん)スタグラム」(笑)。行列ができるほどの大人気で、Pも撮っちゃいました。
○「いごくん。」
この、さっきから気になっていたかかし?君
正式な名前は「いごくん」というのだそうです。今回は北海道胆振東部地震の募金担当としてお披露目されてました。じわじわくるP好みのキャラクターです。うーん何かしゃべらせたい。
○シニアポートレート撮影会
「遺影」としてもつかえるプロ写真家による本気の撮影会。家族そろって撮影という方もいらっしゃって、感動の撮影会となったようです。
○本公演(アリオス中劇場)
・オープニング(いわき吹奏楽団)
どアタマからこんないでたちのひとが弾き語りスタイルで「オラは死んじまっただー♪」(笑)
続いて、「スーダラ節」。ゆるい。ゆるすぎる。
あの世のヒデキに捧げる「ヤングマン」。「Y!M!C!A!」のコール&レスポンスで会場を一体化させます。
ヒデキーー!!
今回も、即興演劇集団「ロクディム」のみなさんが総合司会となって開幕です。
・いごく表彰式
いわきで一番「いごいた」方を表彰する「いごく表彰式」。
今回の受賞者は、長年地域医療に貢献された医師の中山さんと、いわき市シルバーリハビリ体操指導士会の三田さん。サンタさん!!
全員そろって、会場みんなでシルバーリハビリ体操を体験する流れに。
ピンク色のユニフォームで指導士会の皆さん登場!
いててててて。あちこちでうめき声が。これ、ぜんぜんシルバーじゃないです。めっちゃききます。二種類の体操をやっただけなのに汗が出てきました。筋肉痛になりそうー。
おめでとうございました!!
続いて、演劇集団ロクディムの即興芝居「極楽浄土」。
開演前にわたされたテーマについて観客に書いてもらったフレーズがキーワードになって劇が展開していくというスタイル。こんなふうに紙をぶちまけて、場面のポイントでランダムに展開していきます。
この日のラストは、鳥肌モノの神展開でした!
休憩をはさんで、落語。
立川流一門の気鋭・立川志獅丸さんによる「死神」。
死神の迫力ったら。こわいよう。
そして大トリはケーシー高峰師匠の医療漫談。
2月に拝見したときとかなり風貌が変わっていらっしゃって、正直びっくりしました。
携帯の酸素ボンベをつけて、椅子にすわったスタイルです。
しかし、エロ漫談ぶりは健在。ご自分の生い立ちをとうとうと話されていました。
ケーシー師匠の芸人魂を心に刻み込みました!
師匠、いつまでもお元気でいてください。グラッチェ。
エンディング。いやー本当に密度の濃い、心に何かが残った二日間でした!
最近のフェスは、参加する人の自己演出の場とか「モノ消費からコト消費」さらには「トキ消費」として広がっているという話も聞きますが、このいごくフェスは、そういったものとはちがう感じがしました。
言葉で表すのは難しくて、とにかく体験していだたきたい。そんなフェスでした!
次に開催されるときは、また参加して、体験したいと思います☆
アリオスから外へ出ると、本公演がはじまったときに降っていた雨が上がって、極楽浄土を思わせるいわきの空がひろがっていました。
あっちに逝ってしまったあの人たちも、見守ってくれているのかなぁ。
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このたびの北海道胆振東部地震、台風21号、大阪北部地震、そして西日本豪雨で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。一日も早く穏やかな暮らしを取り戻されますことを、心より願っております。
(管理人P)
○いわきの地域包括ケア「いごく」
・Webサイト https://igoku.jp/
・Facebookページ https://www.facebook.com/igoku.iwaki
・いわき市役所地域包括ケア推進課のHP
http://www.city.iwaki.lg.jp/www/section/1459414098343/index.html
2018年09月12日 22:05 │