“今を生きる意味 迷わずに進む強さ
ふるさとへの想い 今こそ涙を情熱にして”
これは2013年6月5日にリリースされたメッセージソング「アイナふくしま」の一節。
フラガールとファイヤーナイフダンサーひとりひとりの想いを歌詞にのせた楽曲です。
2012年6月4日にフラガール第15代リーダーに就任。
以来スパリゾートハワイアンズのシンボルとして、
私たちに笑顔と情熱を届け続けてくれたモアナ梨江さん。
ハワイアンネームの「モアナ」はハワイ語で“大きな海”という意味。
その名のとおりにフラガールとして12年の長きにわたる活動、
また、偉大なリーダーとして4年1か月余り、1518日を駆け抜けていきました。
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○2016年(平成28年)7月30日(土)
前日に梅雨明け宣言が出されたいわき地方は快晴。
今年もまた、ハワイアンズに夏がやってきました。
51回目の夏です。
○PM20:15
スパリゾートハワイアンズ ウォーターパーク内 メインステージ。
夏休み期間に入ったこの時期、家族連れをはじめとしたたくさんのお客さんで賑わっています。流れるアクアリウムプールではしゃぐ子供たちの声。スパに浸かってくつろぐ老若男女。
ファイヤーナイフダンサーが繰り出す火の舞いに沸き立つ観衆。
昔ながらの、いつもどおりの光景です。
5年前に、この奇跡のような、普通の光景を想像できた人がどれほどいたでしょうか。
○2011年3月11日の東日本大震災、原発事故、一か月後の4月中旬にいわき市内陸部で連続して発生した最大震度6弱の大規模な余震(いわき市内では「4.11」と言われています)で、ハワイアンズは大きく大きく傷つきました。
○突然、踊るステージそのものを奪われたフラガールたちは、生活の基盤を失ったメンバーもいるなか、常磐ハワイアンセンター創立時の原点に立ち返り、同年5月3日から10月2日まで5カ月にわたる「全国きずなキャラバン」を敢行しました。
150日間で、全国26都府県に韓国公演を含め125か所、247回にわたる公演。
キャラバンを率いた当時のリーダーは第14代マルヒア由佳里さん。
ファイヤーナイフダンサーたちは消防法の規制で火を使った踊りを披露することが許されず、ひたすらフラガールのサポートとダンスの練習に徹していました。
これらの様子は、映画「がんばっぺ!フラガール」でその一端をうかがうことができます。
○2011年10月1日のハワイアンズ部分オープンでは、現在のスプリングパークでショーが再開されました。仮設の小さなステージでしたが、全国きずなキャラバンから凱旋したフラガールとハワイアンズの復活を待っていたファンが喜びを分かち合う感動のステージとなりました。
○2012年6月、震災発生時から最も困難の大きい時期にフラガールを率いた第14代リーダー・マルヒア由佳里さんが惜しまれながら引退。マルヒアさんもまた、忘れることのできない名リーダーです。
○そして、第15代目となるリーダーを引き継いだのが、大森梨江さんです。
大森さんは、リーダー就任直後にソロデビューを果たします。
スパリゾートハワイアンズダンシングチームでソロダンサーだけが名乗ることを許されるハワイアンネームは、「モアナ梨江」。
「モアナ」はハワイ語で「大きな海」を意味します。
○2012年2月8日、全館営業再開のグランドオープンでハワイアンズは完全復活します。
○モナア梨江さんは、その後もフラガールのリーダーとして、ハワイアンズ復活のシンボルとして、いわきのみならず福島県や東北、日本全国そして世界へと、笑顔と情熱を届けてきました。
そしてリーダー就任から4年1か月あまり。今日は1518日目。
モアナ梨江のラストステージです。
〇2016年7月30日(土)20:15
4月から新たに結成された国内初のファイヤーナイフダンスチーム「シバオラ」の演舞が、二千人の観客を沸かせています。
〇PM20:30
ポリネシアン・グランドステージ「Maka hou(新たなるはじまり)」の開演です。
※こちらの勝手にいわきガイド過去記事もあわせてご覧くださいませ。
ポリネシアン・グランドステージ『maka hou・新たなるはじまり』
60分間のプログラムがあっという間に過ぎていきます。
一時も目が離せない素晴らしいステージです。
タネイムアからのオテアがはじまります。
ソロダンサーモアナ梨江による最後のタネイムア。
目に焼き付けます。
ハワイアンズとフラガールが辿ってきた歴史は、常磐ハワイアンセンター創設時からの奇跡の物語。
創設以来、先達が脈々と受け継ぎ紡いできた「奇跡のDNA」という名のフラガールの遺伝子。
踊りが大好きで、フラガールになるという夢を叶え、震災後は大切な自分のまちの人達のために踊り続けた大森梨江さん。
かつてない困難に直面したとき、脈々と受け継がれてきたフラガールのDNAと、
大森さんの踊ることへの情熱そして故郷への想いが、
偉大なリーダー「モアナ梨江」を出現させたのかもしれません。
オテア。クライマックスです。
この笑顔にどれだけ励まされてきたことか。
どれだけ多くの人々が元気や勇気、感動や誇りを貰ったのでしょうか。
モアナ梨江が踊りでみせる笑顔は、本当に素晴らしかった。
こんなに魂が揺さぶられるほどに美しい笑顔を見たことがありません。
万感の拍手が鳴りやみません。
フラガール~虹を~
ほんとうに名残り惜しくなります。
すべての演目を終えて、またひとりのフラガールがステージを去っていきます。
ザ・フラガールが。
〇PM21:30終了。
ステージ終了後、退団セレモニーが執り行われました。
モアナさんの功績に敬意を表すように、異例づくしのセレモニーとなりました。
これまでの「リーダー」を「キャプテン」と変更することが発表され、
モアナ梨江はフラガールの最後のリーダーとなりました。
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そして翌日からも、いつものようにハワイアンズのステージではフラガールとファイヤーナイフダンサー、斎藤和夫とエテネタヒチアンズが、観客を沸かせる最高のステージを繰り広げています。
これが脈々と続いてきた奇跡のステージだということを知らなくても、掛け値なしに楽しめる極上のショーです。
モアナ梨江という偉大なリーダーとともに、リーダーを支えた多くの人々に思いをいたすとき、フラガールの原点回帰とさらなる進化を体現したモアナ梨江のDNAも、確実に受け継がれていくのだろうと思います。
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム 第15代リーダー
常磐音楽舞踊学院 第40期生 モアナ梨江(大森梨江)さんに
最大の敬意と感謝を込めて
(管理人P)
2016年08月06日 16:04 │